2024.07.16

あの黄色いケロリンは国民的キャラクターと呼ぶにふさわしい

キャラクター雑貨

誰もが一度は目にしたことがあるはずの“黄色いあの子”、ケロリンのご紹介です。同時に「なぜ、こんなにも老若男女に認知されているのか？」の謎にも迫っていきたいと思います。

ケロリンの誕生と成り立ち

ケロリンと言えば、あの黄色いケロリン桶。可愛らしいだけではなく、なかなかな別名をお持ちです。その名も「永久桶」。それは、銭湯で子どもが蹴飛ばしても、大人に腰掛けにされても驚異的な強さから名付けられています。POPな見た目とタフな頑丈さを併せ持っているのもロングセラーの理由のひとつと言えるでしょう。そもそも、「ケロリンって何？」と思っている方もいらっしゃるでしょうから説明すると、もともとは薬。内外薬品という会社が販売している薬の名称がケロリンなのです。鎮痛効果がある「アスピリン」と胃の粘膜を守る「桂皮（けいひ）」を配合した鎮痛薬のこと。その薬は効き目が早く、「飲めば痛みがケロリと治る」ことから「ケロリン」と命名されたそうです。

なぜ、風呂桶になったのか？

富山の会社である内外薬品が、「全国にケロリンを置いてもらいたい」と考えていたときに、「湯桶にケロリンの広告を出しませんか？」と提案されたのがキッカケになったそうです。とは言え、なぜ、ここまで多くの銭湯に浸透していったのか。そこには、安く風呂桶を仕入れられる銭湯側のメリットがあったから。ケロリンを周知したい企業側と、風呂桶を安く仕入れたい銭湯側、双方にメリットがあったというわけです。安い上に頑丈なのですから、銭湯にとっては「どうぞ、どうぞ！」なわけですよね。こうして（だいぶ簡略しましたが、）ケロリンは全国に広まっていくことになったのです。

老若男女から「懐かしい」と思われる貴重な存在

当時、銭湯で必ずと言っていいほど置いてあったケロリン桶は、昭和世代にとっては正真正銘の懐かしい存在となっており、昔を懐かしんで購入する方も多くいらっしゃいます。その子ども世代や孫世代にも刺さる理由は何か？それは、あのケロリンが持つレトロかわいいところにあるのでしょう。鮮やかな黄色と丸みのあるケロリンの文字のおかげで、若者からも認知・支持されています。自宅のバスルームをケロリングッズで統一している熱狂的なファンも少なくないようです。レトロなところが、誰からも懐かしいと感じさせるのかもしれませんね。

数々のコラボにより人気を不動に

全盛期と比較すると、銭湯の数が減少し下火になった時期もあったようです。では、なぜ復調を果たしたのか？それにはいくつかの理由があると思いますが、ひとつにはある映画作品がひと役を買っていると言われています。それは、2012年に公開された映画「テルマエ・ロマエ」です。ケロリン桶が日本の銭湯文化に欠かせない小道具として作中に登場。この影響は大きく、改めて周知されたと言われています。また、生誕50周年を迎えた2013年には、人気マンガ「ケロロ軍曹」とのコラボを果たしています。誕生のきっかけはSNSだったそうで、それぞれのアカウントがよく似ており、フォロワーが商品化を提案。それを受ける形で数々のアイテム・グッズが誕生したというのが面白いですよね。さらに、最近ではTVアニメ「ゆるキャン△」とのコラボ。コラボアイテムの「ゆるキャン△ケロリン桶」は、特殊な印刷技術により屋外での利用で10年以上、室内での利用であれば、ほぼ印刷が消えないとも言われている強力なお風呂グッズ。それぞれの良さがさらにユーザーを満足させている好例と言えます。

昨今のサウナ人気も援護射撃

サウナーたちは自前のアイテムを欲しがり、使いたいものですよね。そこに最適だと言えるのがケロリングッズ。サウナハットやタオル、もちろんケロリン桶も。メディアやアパレル企業もサウナ人気にあやかり、さまざまなグッズを世に出しています。そのひとつとして、人気サウナ番組『&sauna（アンドサウナ）』もケロリンとコラボを果たしています。格好良くスマートなサウナグッズも良いですが、どこか和む、どこかPOPな印象を与えてくれるケロリングッズもサウナのお供にしたくなりますよね。